九州新幹線の全線開通から12日で10年を迎えた。九州を南北に結んだ高速鉄道は、人の流れや沿線の街並みをどう変えたのか。
距離縮めた新幹線 コロナで一変
熊本県玉名市のJR新玉名駅。市職員の徳丸剛史さん(32)は仕事を切り上げると、午後5時過ぎの九州新幹線に乗り込む。約40分の「通学」先は、福岡市の博多駅ビルにある九州大学のビジネススクールだ。経営理論を業務に採り入れようと、2019年4月から学び始めた。今年度はコロナ禍でオンライン授業が中心だったが、「新幹線がなければ学習の機会は得られなかった」と話す。
九大のビジネススクールは11年、県外から幅広く生徒を募ろうと、福岡の玄関口で授業を始めた。定員45人に対し、熊本県からは毎年2~3人が入学。鹿児島県からの通学者もいた。専攻長の永田晃也教授は「博多駅キャンパスは、学生と我々の距離を解消するうえで大きな役割を果たした」と語る。
原文出處 朝日新聞