東京都千代田区の靖国神社で石柱に落書きが見つかった器物損壊事件で、警視庁公安部は9日、器物損壊と礼拝所不敬の疑いで、中国籍の埼玉県朝霞市、職業不詳、姜卓君容疑者(29)を逮捕したと発表した。また、同容疑で、いずれも中国籍の董光明容疑者(36)と許来玉容疑者(25)の逮捕状を取り、指名手配した。
逮捕容疑は共謀の上、5月31日午後9時55分ごろから午後10時ごろまでの間、靖国神社敷地内で、神社名を刻んだ「社号標」という石柱に赤いスプレーを吹き付け、「Toilet(トイレ)」と落書きして損壊(損害見積額420万円)し、礼拝所に対して公然と不敬な行為をしたとしている。
公安部によると、董容疑者が落書きし、許容疑者がその様子を撮影。姜容疑者は2人と行動をともにし、スプレーを購入するなどしていた。董、許容疑者は5月29日に入国し、31日夜の落書き直後の6月1日未明の便で羽田空港から中国・上海に出国した。
落書きする様子は、中国の動画投稿アプリ「小紅書(レッド)」に投稿されていた。董容疑者とみられる男が「アイアンヘッド」と名乗り、石柱の台に登り、石柱に向かって放尿しているようなしぐさをした後、赤いスプレーで落書きする様子が映っていた。
事件を巡っては、上川陽子外相が6月4日の記者会見で、外交ルートで中国政府に懸念を伝えたと明かした。
一方、中国外務省の毛寧(もう・ねい)報道官は6月3日の記者会見で「外国にいる中国公民は現地の法律を順守し、理性的に訴えを表現するよう注意を促したい」と注意喚起した。
原文出處 產經新聞