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時評

小笠原欣幸 : 日曜日の台北駅

ちょうど2週間前の日曜日,台南から台北に移動。駅構内での1枚。以前のように外国人労働者,台湾人旅行者が自由気ままに座り込んでいました。これは,コロナ時代が終わって以前の生活が戻ってきたこと,そして,台湾社会の多文化主義を象徴する光景です。

台北駅のコンコースで日曜日に外国人労働者(多くは東南アジア出身者)が集まり,休日の一時を過ごすという光景は,たぶん10年前くらいに定着したと思います。家事労働者,介護労働者のように,平日は北台湾各地で住み込みで仕事をしている人にとっては,台北駅で友達に会うのが都合がよいので(しかも無料)この習慣が広がったと言われています。

日本でいうなら東京駅構内で座り込んでお弁当食べて談笑している光景でしょうか。日本だったらすぐに追い出されると思います。台湾にいる外国人労働者は,基本的に台湾政府がベトナム,フィリピンなど相手国政府と協定と結んで入っているので合法的労働者です。ここが日本との大きな違い。

私が台湾を研究し始めた30年前は,外国人への偏見,差別意識というのははっきりとありました。当時「国際化」と叫んでいた日本社会より遅れている部分もあるなと思いました。それから30年,台湾社会は大きく変わりました。

台湾の多文化主義はまだまだ課題が多くありますが,30年を通して見ると,多文化主義,族群融和,ジェンダー平等,少数派の権利の尊重という方向に動いてきたことは間違いありません。30年後のいま,台湾社会は日本よりだいぶ進んでいます。

📖台湾社会のエスニック・グループ,新住民,ジェンダー,少数派の権利については,赤松・若松『台湾を知るための72章』の田上智宜先生,横田祥子先生,洪郁如先生らの章を参照してください。

禮拜天 台北車站🕋

兩個星期前的禮拜天,我剛好從台南搭乘高鐵到台北,經過台北車站時,拍攝這一張照片。看到很多外勞,旅客隨便坐上台北車站大廳裡,邊吃邊聊的風景,內心感到很高興,真的感受到疫情時代結束,回復以前的生活。另外,這張照片象徵台灣社會的多文化主義/多元主義。

我開始研究台灣政治的三十年前,不是這樣。雖然台灣社會在這方面要解決的問題不少,但是綜觀三十年的變化,台灣社會逐漸走向重視多元化價值觀,族群融合,少數派的權益,這個方向和努力,不能否認。三十年後的今天,台灣社會比日本社會進步很多👍

原文出處 Yoshiyuki Ogasawara

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