ロシア出身の世界的なソプラノ歌手、アンナ・ネトレプコ氏が5日に台北で予定したコンサートが中止されることになった。ネトレプコ氏は、ロシアのプーチン大統領に近いとされ、ウクライナが制裁対象にした芸術家らに含まれ、市民団体などから反発が出たためだ。
台湾メディアによると、ネトレプコ氏は台湾フィルハーモニック(NSO)主催のコンサートで地元歌手らと共演する予定だった。だが、予定が発表されると、「侵略を正当化した人が台湾で稼いでいいのか」といった批判が噴出。台湾の文化部(文部科学省に相当)も「台湾の戦争に対する態度は、はっきりしている」と反対を表明した。
NSOは2月28日、コンサートの中止を発表。チケット購入者には代金を払い戻すという。
オーストリア在住のネトレプコ氏はロシアによるウクライナ侵攻後、繰り返して戦争への反対を表明し、一時中止した活動を欧州で再開している。
ネトレプコ氏は台湾コンサート中止を受け「誠に遺憾だ。過去の言動が誤解を受けた可能性がある。私はプーチン大統領と数回しかあったことがなく、露政府から支援を受けたこともない」との声明を発表した。
原文出處 產經新聞