中国の李克強首相は5日、全国人民代表大会(全人代)で行った政府活動報告で台湾問題に触れたが、「(中台)両岸の経済文化の交流、協力を推進する」といったソフトな表現に終始し、「武力行使を放棄しない」などの激しい表現を避けた。来年1月に台湾の総統選を控え、台湾の世論を刺激しないように、慎重に言葉を選んだとみられる。
李氏は政府活動報告で、「一つの中国の原則を堅持し、(台湾)独立に反対する」と言及したが、これ以上踏み込まず、「台湾同胞の福祉を増進する制度や政策を充実させる」などと台湾の世論懐柔を図ったともみられる表現も用いた。
中国の対台湾政策に詳しい台湾の中華亜太菁英交流協会秘書長、王智盛氏は「昨年夏にペロシ米下院議長が訪台した直後、中国が台湾海峡付近で軍事演習を実施した際に使った恫喝(どうかつ)めいた言葉はなくなり、穏やかになった印象がある」との見解を示した。
source 產經新聞