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中国GDP「目標未達」か、発表予定前日に急きょ異例の延期…党大会に配慮の見方


18日に予定されていた中国の7~9月期国内総生産(GDP)の発表が、前日に急きょ延期された。目標未達との観測があり、 習近平シージンピン 政権の3期目入りを決める共産党大会が開催中であることに配慮したとの見方が出ている。重要な経済指標の公表延期は異例で、統計に対する信頼を揺るがしかねない。

延期は17日夕方、経済指標を担当する国家統計局のサイト上で告知された。18日にはGDPに加え小売り売上高など、19日には不動産関連の統計が発表予定だったが、すべて延期された。

国家統計局は18日、読売新聞の取材に「スケジュールの都合が理由で、新しい日程も未定だ」と述べ、詳しい説明を避けた。

統計局は毎年末、GDPを含めた各経済指標について、翌年1~12月分の発表予定日をまとめてサイト上に掲載している。一方、党大会の開幕日は今年8月30日に決定しており、国務院のある職員は「GDPの会見を開く予定は早くからなかった」と述べた。

サイトでは10月24日以降公表の経済統計は当初の予定日が掲載されている。統計局は14日に消費者物価指数(CPI)を予定通り発表済みで、16~22日の党大会期間中の発表に限って延期した格好だ。これとは別に税関当局は14日に予定していた貿易統計の発表を行っていない。

「忖度か」
市場予想では、7~9月期のGDPは平均3・5%前後の増加が見込まれていた。4~6月期(0・4%増)から大きく改善するものの、1~3月期(4・8%増)は下回る。

共産党・政府は3月、通年の成長率を5・5%前後とする目標を打ち出しており、「18日に7~9月期の結果が出れば、通年目標が未達となることがほぼ確定する」(エコノミスト)とみられていた。

先進国が発表するGDP予測とは異なり、中国のGDP目標は政治的に「必達」が求められる。未達となった例は江沢民政権時の1998年まで遡る。

今年4月以降の景気低迷は、感染封じ込めを優先する「ゼロコロナ政策」が大きな要因で、習氏自身が主導してきた。大和総研の斎藤尚登主席研究員は「3期目入りの祝賀ムードに水を差す形にならないよう、周辺が 忖度そんたく したのでは」と見ている。

17年は発表
中国政府は92年から四半期ごとの成長率の発表を始めた。以降計7回の党大会と重なったケースは、前回17年と今回の2回。習氏が2期目入りした17年は党大会2日目に6・8%増という数値が発表されており、今回とは対応が異なる。

GDP発表は07年にも延期されたことがあり、10月23日の予定を2日後にずらした。ただ、この時は党大会が21日に終了しており、変更後の公表日も同時に明らかにされている。

中国では管内のGDPが地方政府幹部の昇進を左右するため、長年統計水増しが横行していた。習政権はこうした状況に問題意識を持ち、3月には党の汚職摘発機関・中央規律検査委員会に対し、統計不正の摘発も担う国家統計局への監視を強めるよう促している。

斎藤氏は「理由さえ説明しないのでは統計の信頼性は大きく損なわれる。今回の延期は習氏1強の弊害を象徴している」と指摘する。

原文出處 讀賣新聞

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