先週、長女が通う日本人学校で新型コロナウイルスの感染が拡大して学級閉鎖となり、同居する家族もPCR検査を受けることになった。
日曜日の朝、市役所指定の「防疫タクシー」が自宅に迎えに来た。防疫タクシーとは、運転手と乗客の間に分厚いビニールシートの仕切りがあるタクシーで、料金は基本的に税金で賄われるため、お金やレシートのやり取りがないことが特徴だ。
PCR検査は河川敷に設置された臨時検査場で行われ、検査を受ける人は車から降りる必要はない。全身防護服の看護師が窓の外に立ち、手を伸ばして綿棒を鼻の奥に入れてこする。座席に座ったまま1分もたたないうちに検査は終わり、そのまま帰宅した。
2日後、衛生局からの電話で「陽性」との知らせがあり、自宅で10日間、隔離生活を送ることになった。早速、市役所から「体温計、カップラーメン、お菓子」などが入った隔離グッズが届いた。
2年前から世界中を席巻したコロナ禍。感染者の数を低く抑えてきた台湾の対応は各国から称賛された。今回、実際に新型コロナに感染し、その行政の効率の良さと管理の細かさを実感した。台湾でも最近は感染者が急増しているが、重症化率は極めて低く、市民の間で不安や混乱は全く見られない。
原文出處 產經新聞