300人以上(災害関連死含む)が犠牲になり、平成最悪の水害といわれる2018年の西日本豪雨から6日で3年となる。線状降水帯による記録的な大雨で河川が至る所で氾濫(はんらん)。土砂崩れや土石流も多発し、被害を広げた。影響が大きかった広島、岡山、愛媛の3県では今なお1千人以上が仮住まいを続けている。
西日本豪雨では、長時間広い範囲に記録的な雨が降り続き、東海から九州まで11府県に「大雨特別警報」が発表された。避難情報のうち最も危険度が高い警戒レベル5に相当するもので、13年8月の運用開始以降、最大規模となった。
岡山県倉敷市真備町では河川が次々と氾濫(はんらん)。地区の3割が浸水し、51人(災害関連死のぞく)が亡くなった。広島県坂町や熊野町では土石流が発生し、多数が犠牲に。愛媛県西予市と大洲市ではダムの緊急放流で肱川(ひじかわ)があふれ、亡くなる人が出た。
西日本豪雨では全国14府県で災害関連死を含め300人以上が亡くなったが、死者・行方不明者の9割が3県に集中した。気象庁が初めて地球温暖化の影響にふれた災害だった。
被災地では住宅再建が進む。岡山と広島両県では、被災者向けの災害公営住宅の整備が終わった。愛媛県も今年から入居が始まり、大洲市に9月にできる1団地ですべて整う予定だ。
一方で、岡山県で665人、愛媛県で308人、広島県で91人(計1064人)が仮設住宅で暮らす。昨年(約4千人)より大きく減ったが、長引くコロナ禍で窮屈な生活を続けている人は少なくない。
道路や橋、河川など被災3県の復旧は今年度も進みそうだが、広島県はコロナの影響でやや遅れている。県の「復旧・復興プラン」の対象となった2550カ所の工事を3月末までに終える予定だったが、今年度末までずれ込みそうだ。
原文出處 朝日新聞