焼き肉店「焼肉きんぐ」を運営する物語コーポレーションは3月31日、焼肉きんぐのホームページ(HP)で名古屋市内の店舗で客の嘔吐(おうと)トラブルが発生したことを報告し、店側の対応について「至らぬ点が多々あり、大変ご不快な思いをおかけした」と謝罪した。トラブルに関しては他の利用客が嘔吐客の移動を店に求めたが「移動できない」と言われたなどとして、当日の経緯をSNS上で訴えていた。
割引提示も「おわび伴わず」
同社によるとトラブルは名古屋上飯田店(名古屋市)で28日夜に起きた。飲酒して泥酔した客が客席で嘔吐してしまい、従業員は袋を渡した上で席の移動を要請する対応を取ったという。ただ、泥酔のため客は移動を拒否し、結果として「客席内での行為が継続する状況」となった。
その上で、周囲の客に対する対応について「ご不安なお気持ちへの配慮が十分ではございませんでした」と釈明した。店舗責任者は問い合わせた客に対し、利用料金の割引の提案をしたというが、「本来お伝えすべきおわびの言葉が伴わず、不信感を与えることになった」と振り返った。
同社では客が嘔吐した場合の対応として、化粧室などへの移動を求めており、客席での嘔吐行為を「容認することは決してない」と強調した。その上で、今回のトラブルについて周囲の客に席の移動を案内するなどの配慮が不十分だったとした。
周囲の客に改めて謝罪
翌29日の営業開始前には嘔吐があった場所の周囲のテーブルなどを次亜塩素酸ナトリウム希釈液で洗浄したとしている。同社は再発防止策を徹底するという。
物語コーポレーションの広報担当者は産経新聞の取材に、SNSで店側の対応を訴えた利用客に対して「改めて当社の責任者より直接謝罪のご連絡を差し上げ、当日の対応に至らなかった点について深くおわび申し上げた」と説明した。
嘔吐した客に対しては「今回の件は、最も大きな問題は(嘔吐トラブルに対する)当社の対応が不十分であった点にある」として、損害賠償などを求める考えはないとした。
原文出處 產經新聞