台湾の蔡英文政権への圧力を強めている中国政府はここ数年、理不尽な理由で台湾産パイナップルや高級魚ハタなどへの禁輸措置をとってきた。苦境に立たされた台湾の農水産業を支援しようと、日本の貿易関係者は積極的に台湾産品の受け入れを進めている。パイナップルの輸入は軌道に乗ったが、ハタはいまだに苦戦中だ。主要産地の屛東(へいとう)からその現状を報告する。
台湾高速鉄道の最も南に位置するターミナル駅「左営」から車でさらに南へ約1時間走ると、台湾最大のパイナップル産地に到着する。5月下旬のある午後、屛東県内埔郷(ないほきょう)の農園で数人の若者が雑草取りにいそしんでいた。地元の果物農家を取りまとめる龍潭(りゅうたん)果菜生産合作社(組合)の理事長、何秉洋(か・へいよう)氏は「台湾も最近、農家の後継ぎ不足に直面している。ここで働いているのは、フィリピンやインドネシアから来た研修生が多い」と話す。
この農園で生産するパイナップルは日本へ輸出する予定だ。屛東県では毎年12万トン以上のパイナップルが生産され、台湾全体の約3分の1を占める。
原文出處 產經新聞