台湾の統一地方選が26日に投開票される。現地では最大野党・国民党が優位だと報じられている。蔡英文総統が率いる与党・民進党が敗れれば、2024年総統選の情勢にも影響を及ぼす可能性がある。中国の習近平指導部が統一を目指して台湾への軍事的圧力を強める中、なぜ対中融和路線を取る国民党に勢いがあり、中国と対立する民進党が苦戦を強いられているのか。
「台湾人が民主主義を主張することは誰に対しての挑発でもない。国際社会が最も支持するのは、自信を持って団結し、決意を固めた台湾だ」。蔡氏は12日夜、台北市での集会で聴衆に訴えた。その声には危機感が強くにじんだ。
統一地方選は4年に1度で、台北など6直轄市を含む計22県市の首長や議員らを選ぶ。北部で国民党が地盤を維持し、南部は民進党支持者が多く、台湾メディアの世論調査では今回も台北、新北など北部で国民党が、台南、高雄など南部では民進党が優勢な結果が多い。届け出後に候補者1人が死去して延期された嘉義市を除く21首長選では、世論調査などから、国民党の勝利が半数を上回る勢いだとみられている。
国民党は00年に民進党に政権を奪われるまで半世紀以上台湾を統治してきた。08年に政権奪還後、16年に再び野党に転落したが、地域の有力者との結びつきは依然として強固だ。対中政策よりも地域課題が中心となる地方選では地力を発揮することが多い。
だが14年統一地方選は対中政策が争点となった。…
原文出處 每日新聞