ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ南部クリミア半島とロシアを結ぶ「クリミア橋」の爆発に関し、ロシア連邦保安局(FSB)は12日、「犯行に関わったロシア人5人と、ウクライナ人とアルメニア人計3人を拘束した」と発表した。「テロの首謀者はウクライナ国防省情報総局だ」とした。
ロシアは10日、クリミア橋の「テロへの報復」としてウクライナ全土をミサイルなどで攻撃した。FSBは、爆発物がウクライナからブルガリアや黒海などを経由する複雑なルートで2カ月かけて現場に運ばれたとしており、周到な準備だったとみている。ロシアへの「テロ」の脅威を警告する内容ともなっている。
FSBによると、爆発物は8月初め、ポリエチレンフィルムに偽装する形でウクライナ南部オデーサ港からブルガリアの港に輸送された。重量は約23トンだったという。
その後、黒海を挟んだジョージアの港を経て、ロシアの同盟国であるアルメニアに到着。再びジョージアを通過して10月6日にロシア南部クラスノダール地方に着いたという。最終的な受取人は、クリミア半島シンフェロポリの実在しない会社だったとする。
FSBは作戦を指揮したウクライナの情報総局員が使った偽名や、関わった人物の名前、生年を公開。荷主がウクライナの会社からアルメニアやロシアの会社に何度も変わるなど詳細な情報を得たと主張している。
ウクライナ情報総局の報道官は12日、「FSBはプーチン政権に仕える偽りの機関であり、発表にはコメントしない」と述べた。
原文出處 朝日新聞