愛媛県議会の渡部浩議長(67)が「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」との関係が指摘される団体の催しにたびたび出席し、教団の友好団体に関する書籍をまとめ買いしていたことが分かった。2020年度と21年度の県議会の政務活動費(政活費)収支報告書で報告していた。渡部議長は「見聞を広めるための議員活動のひとつ」などとして、教団との個人的なつながりを否定している。
政活費は議員の調査研究などの活動経費として、給与とは別に県議1人あたり月額33万円が支給されている。2021年度は県議46人に計1億7952万円が支給された。収支報告書は県議会事務局で閲覧請求することができる。
記者が20年度と21年度の収支報告書を閲覧し、教団との関係が指摘されている団体関連の支出を確認したところ、渡部議長の報告書では該当すると思われる支出が計10回あった。
20年度の収支報告書によると、教団の友好団体の「国際ハイウェイ財団」が進める日韓トンネル構想に賛同する「日韓トンネル推進愛媛県民会議」の賛助会費に1万円を支出したほか、日韓トンネル書籍代として9千円(30冊分)を記載していた。
21年度では、教団の友好団体が関わる自転車イベント「ピースロード」関係の催しに2回行ってガソリン代を請求していたほか、教団の友好団体「世界平和連合」の機関誌「世界思想」の年間購読費として1万2936円を支出していた。教団関連団体の「県平和大使協議会」に1万2千円の年会費を払っていた。
渡部議長は教団との関係が指摘されている団体との交流について、「わたし個人は無宗教だし一切ない」と否定。教団と関連が指摘される団体の催しへの出席が数多くあったことについては、「自分の政治信条として家庭や平和を大事にしており、勉強になりそうな催しに参加した」などと説明し、「教団の関連団体との認識は一切なかった」と話した。今後については、「自民党員なので、党本部の方針に従う」とした。
また、日韓トンネル関係の書籍をまとめて30冊購入したことについては「こういう構想があることを知ってもらいたいと思い、小冊子だったと思うが支援者に配った」と話した。
渡部議長は自民党所属で、西条市選出の当選6回。今年3月から議長を務めている。
原文出處 朝日新聞