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時評

矢板 明夫:天安門事件追悼、台湾が香港から「引き継ぎ」


中国で民主化運動が弾圧された天安門事件が4日、発生から33年を迎える。香港中心部のビクトリア公園で毎年4日夜に実施されていた犠牲者追悼集会は、2020年に香港国家安全維持法(国安法)が施行されて以降、開催できなくなり、今年も見送られる。台湾の人権団体は「われわれが独裁政権に対抗する先頭に立つ」と台北での集会で香港市民の思いを受け継ぐ決意を強めている。

台湾の台湾人権促進会、華人民主書院協会など複数の団体は4日夜、台北市中心部の中正紀念堂前で、天安門事件の追悼集会を開催する。同所では毎年、追悼集会が開かれているが、今年は台湾に亡命している香港の学生指導者らを招待。デンマーク人彫刻家、ガルシュット氏が制作し香港大学構内に置かれていた約8メートルの彫像「国恥の柱」の複製を披露する。彫像は昨年12月、香港当局によって撤去されており、台湾の団体が作者から許可を得て復元した。

台湾人権促進会の施逸翔秘書長は地元メディアに「天安門事件の犠牲者追悼だけでなく、新疆ウイグル自治区での少数民族への弾圧や香港の人権状況の悪化などについて、中国当局の責任を追及していく」と集会の目的を説明した。

ただ、彫像の復元では、一部の「台湾独立」志向の政治家や評論家が「台湾と関係のない中国で起きたことなのに、『国恥』という名前はおかしい」と猛反発したため、名称は「恥の柱」に変更された。彫像は当面、台湾の各大学で巡回展示する予定だが、その後の安置場所は未定だという。

華人民主書院協会の曽建元・理事長は、産経新聞の取材に「最近、中国と関わりたくないと考える台湾人が増えており、活動への理解が浸透しきれないところがある」と話した上で、「天安門事件を起こした(中国共産党)政権は今、虎視眈々(たんたん)と台湾侵攻を狙っている。決して人ごとではないと訴えたい」と話している。

原文出處 產經新聞

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