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蘋果日報休刊、大谷翔平選手MVP・・・2021年海外10大ニュース


〔1〕香港「蘋果日報」休刊
中国への批判的な報道で知られた香港大手紙、蘋果(ひんか)日報(アップルデイリー)が6月24日付の紙面を最後に、休刊に追い込まれた。2020年6月末の香港国家安全維持法(国安法)の施行後、言論の自由を大幅に規制された市民たちにとって、同紙は抵抗のシンボルだった。当局は同紙の記事30本以上に国安法違反の疑いがあるとして、羅偉光総編集(編集局長)ら幹部を今年6月17日に逮捕。資産も凍結された同紙は資金繰りが行き詰まり、幹部逮捕からわずか1週間で発行停止を余儀なくされた。香港は今年、選挙制度も改悪され、12月の立法会(議会)選では民主派の立候補が大幅に制限されるなど、自由と民主主義が危機に立たされた1年だった。

〔2〕バイデン米政権発足
1月20日、前年の米大統領選で勝利した民主党のバイデン氏が第46代大統領に就任した。再選を逃した共和党のトランプ氏陣営は「大規模な不正があった」と相次いで提訴したが結果は覆らず、1月6日には支持者たちが、バイデン氏の当選を確定させる手続きが行われていた連邦議会議事堂を襲撃。深刻な分断が浮き彫りとなる中、就任演説でバイデン氏は「結束を取り戻す」と語った。

〔3〕米軍アフガン撤収、タリバン政権に
バイデン米政権は8月30日、アフガニスタン駐留米軍の撤収を完了させ、2001年の米中枢同時テロを受けて始まった「米国最長の戦争」に終止符が打たれた。これに先立つ15日にはイスラム原理主義勢力タリバンが首都カブールを掌握し、国際社会に承認されていた政府が崩壊。在留外国人やアフガン人協力者の脱出が難航する混乱も起きた。タリバンは9月、暫定政府樹立を宣言した。

〔4〕ミャンマー国軍がクーデター
ミャンマー国軍が2月1日、外相兼国家顧問だったアウンサンスーチー氏らを一斉に拘束し、国家の実権を掌握した。スーチー氏が率いる政党が総選挙で大勝したことに反発したとみられている。国軍はクーデターに抗議する民主派や市民を武力で押さえ込み、弾圧による死者は1300人以上。東南アジア諸国連合(ASEAN)も有効な手立てが打てず、国軍支配は固定化しつつある。

〔5〕二刀流・大谷、米大リーグMVPに
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手が投打の「二刀流」で歴史的な活躍をみせた。渡米4年目の今季は投手で9勝(2敗)、打者でリーグ3位の46本塁打を放ち、26盗塁も記録。球宴では史上初の「二刀流」で先発出場を果たした。ア・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出されたほか、選手会の年間最優秀選手やコミッショナー特別表彰など、対象の賞をほぼ総なめにした。

〔6〕松山英樹、日本男子初マスターズ優勝
男子ゴルフの松山英樹選手が4月に開催されたマスターズ・トーナメントを制し、日本男子で初めて年4度のメジャー大会優勝を果たした。東北福祉大2年だった2011年大会に初出場してベストアマチュアに輝いてから通算10度目の挑戦で、優勝者に贈られる「グリーンジャケット」に袖を通した。

〔7〕米中対立 G7首脳声明に「台湾」明記
6月に英国で開催された先進7カ国首脳会議(G7サミット)は、中国による威圧が高まる台湾情勢をめぐり「台湾海峡の平和と安定」を初めて明記した首脳声明を採択した。同様の表現を明記した4月の日米首脳会談の声明を踏襲したことで、米国の同盟友邦国による〝台湾シフト〟を決定づけた。

〔8〕真鍋淑郎さん、ノーベル物理学賞
地球温暖化をコンピューターで予測する手法を開発した米プリンストン大上席研究員、真鍋淑郎(しゅくろう)さんが10月、ノーベル物理学賞に輝いた。ノーベル賞受賞は日本人28人目、物理学賞では12人目の快挙。新型コロナの影響でメダルと賞状は居住する米国で授与され、「大変ハッピーです」と笑顔をはじけさせた。

〔9〕メルケル独首相 長期政権に幕
12月8日、ドイツのメルケル首相が、16年間の在任期間を終えて退任した。1949年の西ドイツ発足後、コール元首相に次ぐ、2番目の長期政権となった。後継には、9月の総選挙で勝利した中道左派、社会民主党(SPD)のショルツ新首相が就任。メルケル氏の保守系、キリスト教民主同盟(CDU)は野党に転じた。

〔10〕中国共産党100年 歴史決議
中国共産党は、11月11日に閉幕した第19期中央委員会第6回総会(6中総会)で、党創建100年の歴史を総括する「党の100年の奮闘の重大成果と歴史経験に関する決議」を採択した。歴史決議の採択は、毛沢東、鄧小平の時代に続く3度目で40年ぶり。歴史的指導者として習近平総書記(国家主席)の権威付けを図るものとなった。

【番外編】
◆慰安婦訴訟で日本政府に賠償命令

元慰安婦が日本政府に損害賠償を求めた訴訟で、韓国の地裁が1月、原告側の請求を認める判決を出した。国家は外国の裁判権に服さないとされる「主権免除」の原則が、慰安婦問題には適用されないと判断。日韓の新たな懸案に浮上した。同種訴訟の4月の判決では、同じ地裁の別の裁判官が原告敗訴を言い渡し、判断が分かれた。

◆米英豪新枠組み「AUKUS」創設
インド太平洋地域の安定に向けて米国、英国、オーストラリアが9月、安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を創設し、米英は豪州の原子力潜水艦保有を支援することになった。これに伴って豪州がフランスとの潜水艦の共同開発計画を破棄したことに、仏政府が強く抗議した。

◆G20首脳会議で温室ガスゼロ宣言
ローマで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が10月末、今世紀半ばまでに温室効果ガス排出量の実質ゼロを目指す首脳宣言を採択し閉幕した。先進国と主要新興国が集まるG20は、世界の排出量の8割を占め、産業革命前と比べた世界の気温上昇を1.5度以内に抑える目標の重要性も確認した。

◆世界のコロナ死者 500万人超える
米ジョンズ・ホプキンズ大によると、新型コロナウイルスによる死者が11月1日、世界全体で500万人を超えた。世界保健機関(WHO)の集計では、1週間当たりの死者数は8月下旬~10月上旬まで減少が続いたが、同月下旬ごろから一進一退している。

◆COP26「気温上昇1.5度内」採択
国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)は11月13日、世界の気温上昇を産業革命前から「1.5度に抑えるための努力を追求する」とした成果文書を採択した。二酸化炭素(CO2)排出量が多い石炭火力発電の「段階的な削減」に向けた努力を加速させる方針も明記された。

原文出處 產經新聞

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