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追加経済対策35兆円検討 18歳以下に10万円


政府・与党が、新型コロナウイルス対応や格差是正を含む追加経済対策の財政支出を35兆円前後とする方向で検討していることが5日、分かった。18歳以下の子供や若者に対する10万円の給付金を盛り込む方向だ。ただ、所得制限を設けて高所得者を除く案もあり、自民、公明両党の幹事長が8日に協議し最終調整する。財源の裏付けとなる令和3年度第1次補正予算案を年内に成立させ、対策を早期に実施する。

岸田文雄首相は追加経済対策の規模を「数十兆円」としてきた。コロナ禍で消費は低迷し、国全体の需要と供給力の差を示す「需給ギャップ」は内閣府の試算で約22兆円(10月4日時点)の需要不足となっており、これを上回る規模の対策が必要とみられている。

財源には2年度決算の剰余金(約4兆5千億円)や2年度から3年度に繰り越された予算の一部(十数兆円)を充て、不足分は赤字国債の発行も検討する。

対策の柱となるのは、首相が掲げた「成長と分配の好循環」のカギを握る非正規雇用や子育て世帯などへの給付金だ。公明党は18歳以下に「一律」で10万円相当を支給する公約を掲げたが、所得水準などの制限を設けない一律支給は政府内に異論がある。

鈴木俊一財務相は5日の記者会見で「必要なところにはしっかり予算をつけるが、メリハリをつけなければならない」と指摘した。

このほか、対策には感染者数の減少を受けた観光支援事業「Go To トラベル」の再開や、大学の研究力底上げに向けた10兆円規模の「大学ファンド」の運用開始に向けた措置、4年度税制改正での賃上げに積極的な企業に対する法人税の優遇措置なども盛り込む見通しだ。感染の再拡大に備え、3年度予算で5兆円を確保したコロナ予備費の積み増しも検討する。

政府は週明けにも開催する「新しい資本主義実現会議」で主なメニューを緊急提言案として示し、11月中旬に対策を決める。対策に必要な費用を手当てする1次補正は年内に臨時国会を開いて成立させる方針で、令和4年度予算案と合わせ切れ目なく対策を取る「15カ月予算」と位置づける。

原文出處 產經新聞

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