菅義偉首相の突然の辞意表明をどう見たらいいのか。明治以来の日本政治史に詳しく、「オーラルヒストリー」で多くの政治家の口述記録をとってきた政治学者の御厨貴さんに聞いた。
――突然の首相の退陣です。どのように評価しますか。
「伊藤博文以来、99代目の日本の首相でしたが、これほど無残な退陣劇はちょっと思い出せません。総裁選直前に党幹部の人事や内閣改造をしようとするなど、自らの延命のために迷走を重ねましたが、万策尽きてしまいました」
「コロナ禍という未曽有の世界的な非常時で、国民にとってはまったく先行きが見えていないままです。国民からの反対の声を押し切って、菅さん本人の強い意志で開催したはずのパラリンピックもまだ続いているんですよ。関係者にどう説明するのでしょうか。国際的にも理解されないでしょう」
――安倍晋三前首相の退陣も唐突でしたが。
原文出處 朝日新聞