中国当局が2015年に邦人女性を拘束した際、日本国内での行動についてスパイ罪を適用していたことが分かった。尖閣諸島をめぐる見解を東京都内で中国側から聞いて日本政府側に提供後、上海出張時に捕まった。国家機密の情報は含まれないと判断されたものの懲役6年の判決を受け服役した。複数の日中関係筋が明らかにした。邦人の日本での行動へスパイ罪適用が判明したのは初めて。日本政府は事態を把握したものの公表していなかった。
日中関係筋によると、女性は60代で、12~13年に在日本中国大使館の関係者と都内で複数回にわたり面会。尖閣国有化を受けた日中対立について意見を聞き取り、日本政府関係者2人に内容を伝えた。
女性は中国出身で日本国籍を取得、新宿の日本語学校幹部だった。15年6月、スパイ活動を取り締まる国家安全省に上海で拘束され、11月に逮捕。懲役6年と5万元(約108万円)没収の判決を受け服役、21年8月に刑期満了で出所した。
原文出處 產經新聞